葉酸発見の歴史

葉酸は人間にとって欠かせない栄養成分です。
ビタミンB12と同じく血液が作られる際に必要です。
他にも葉酸はDNAを作るのに必要な成分で、特に妊娠中は胎児の発育をサポートする上で重要な栄養成分です。
これらの働きをする葉酸はどのような経緯から発見されたのでしょうか?
ここでは葉酸の歴史について詳しく説明します。

最初に葉酸を発見した人物は?

葉酸はインドのボンベイで、イギリスの研究者ルーシー・ウイルスによって発見されました。
ボンベイでは女性の妊娠時に見られる巨赤芽球性貧血の調査を行っていました。
その原因はビタミンA、またはCの欠乏症や感染症だと思われていましたが、実のところ関連性はありませんでした。
その後、1931年に酵母エキスの中に貧血を予防するマーマイトという物質がこの巨赤芽球性貧血に有効だという発見に至りました。
その後イギリスに帰ったルーシー・ウイルスはボンベイの住民達と同じ食事をサルに与えたところ、巨赤芽球性貧血と白血球の減少が見られ、Monkey(サル)の頭文字を取って、1937年にビタミンMと名付けました。

葉酸と呼ばれるようになった経緯

ビタミンMはその後どのような経緯から「葉酸」といわれるようになったのでしょうか?
実は1941年にほうれん草からも同じ物質が発見されました。
そこでラテン語のfoliumから葉酸といわれるようになったのです。
この葉酸もビタミンMと同じようにサルに与えたところ、巨赤芽球性貧血が回復し、同じ成分だと分かりました。
そして葉酸はほうれん草の他にも豆類、果物などにも含まれていることが発見されるのです。

葉酸の歴史を辿ると、さほど古い発見ではありません。
葉酸が最初に発見された経緯としては、葉酸が欠乏する際に発症するという巨赤芽球性貧血という病気の研究である事です。
巨赤芽球性貧血は、葉酸が欠乏する事で骨髄の中にある赤芽球が大きくなり過ぎて、悪性の貧血が起こる病気です。
この病気にならないためにも妊娠時には必要な量の葉酸を摂取するようにしましょう。