葉酸が妊婦さんに勧められるのはなぜか

葉酸は妊婦さんに必要な栄養成分であり、クリニックでも勧められます。
ではなぜ葉酸が妊婦さんに必要なのでしょうか?
葉酸の働きと共に解説します。

葉酸の主な3つの働きとは?

葉酸とは、ビタミンB群の仲間でほうれん草の葉から発見された栄養成分です。
この葉酸には3つの働きがあります。

1.細胞の再生

葉酸は細胞が作られる際に、正しい遺伝子情報を送る働きをしてくれます。
DNAというデオキシリボ核酸は、遺伝子を伝える細胞であり、その細胞に直接働きかけるのが葉酸で、正常な細胞分裂をする際葉酸が必要であり、葉酸が不足すると正しい遺伝子情報が伝えられなくなり、間違った遺伝子情報が伝わってしまいます。
正しい遺伝子細胞を伝えるのに葉酸は必要です。

2.貧血予防

葉酸はビタミンB12と同じで造血作用があり、更に悪性の貧血である赤血球が巨大化してしまう巨赤芽球貧血(きょせきがきゅうひんけつ)を予防してくれる働きがあります。
この巨赤芽球貧血とは、ビタミンB12や葉酸の不足で正常な赤血球が作られず巨大化し、赤血球の働きである酸素を送り出す働きをしなくなりその結果、体が酸欠状態となり、貧血になってしまう症状です。
この悪性の貧血状態を予防してくれるのが葉酸です。

3.心疾患の予防

葉酸はホモシステインというアミノ酸を変える働きがあります。
このホモシステインは心筋梗塞や動脈硬化などを引き起こす危険因子です。
葉酸はホモシステインを他のアミノ酸に変化させる事で、働心臓病や心筋梗塞などのリスクを抑える働きがあります。

妊婦さんに葉酸が必要な3つの理由とは?

葉酸は妊婦さんになぜ必要なのか、その3つの理由がこちらです。

1.葉酸が胎児の発育のサポートをする

葉酸は正しい遺伝子情報を伝える上で必要な栄養成分です。
妊娠初期はお腹の胎児の細胞分裂が激しい時期でもあり、これらの細胞は胎児の内臓や脳、精髄などを作り出し、葉酸はその中で胎児の発育をサポートする働きがあります。

2.妊娠中の葉酸の大量消費

妊娠中は通常よりも胎児の発育をサポートする働きから、母体への葉酸が不足しやすくなります。
妊娠中の方は通常の2倍の480μg摂取するようにしましょう。
葉酸を食品から摂取する場合、レバーがおすすめです。
その他にもほうれん草やブロッコリーにも含まれていますが、レバーの葉酸含有量が一番多いです。

3.流産や死産のリスクの低減

妊娠初期に葉酸が不足してしまうと、神経管閉鎖障害といって胎児の脳や脊髄が未熟になってしまう先天性の異常になる事があります。
これらの異常で無脳症やダウン症などの原因となり、流産や死産を引き起こしてしまいます。
葉酸を摂取する事でこのリスクを低減する働きがあります。

妊娠中は必ず葉酸を摂る様に意識しましょう

いかがでしたか?葉酸は妊娠中、胎児の基礎が作られる時期になくてはならない栄養成分だという事がわかりました。
葉酸を摂取する事で胎児へのリスクが低減される事で、流産や死産を防ぐ効果にも繋がります。
妊娠したら食事だけでなく、葉酸のサプリメントなども一緒に摂り、神経管閉鎖障害のリスクを減らしましょう。